2026年10月29日、Amazonは2026年7〜9月期(第3四半期)の決算にあわせて主な出来事をまとめ、仕事用のAIアシスタント「Amazon Quick(アマゾン クイック)」が、OutlookやWord、PowerPoint、Excelの中でも使えるようになったことなどを紹介しました。
当記事では、Amazon Quickとは何か、今回の更新の中身、料金や日本で使えるかどうかを、AI初心者向けにわかりやすく解説します。
Amazonが決算のまとめで「Amazon Quick」の拡大を紹介(2026年10月29日)
発表の中身
Amazonの公式ニュースサイトに掲載された第3四半期のまとめでは、Amazon Quickについて次の3つが紹介されています。
| 更新の内容 | ポイント |
|---|---|
| Office(Outlook・Word・PowerPoint・Excel)に拡大 | いつも使うOfficeの画面の中からQuickを呼び出せる |
| ノートパソコンを閉じても動き続ける | AIに頼んだ作業が、パソコンを閉じたあとも続く |
| デスクトップアプリの一般提供とモバイルの新機能 | Mac・Windows用アプリが正式版に。iPhone・Androidでは新しい「アクティビティフィード」 |
※2026年11月1日時点・Amazon公式の発表より編集部が整理
まとめの中では、Quickを選んだ企業として、BMW、3M、オートデスク、ゴーダディ、サウスウエスト航空などの名前も挙げられています。
>>Amazon公式「Amazonの第3四半期のハイライト」(2026年10月29日・英語)
そもそもAmazon Quickとは?
Amazon Quickは、AmazonのクラウドサービスであるAWS(アマゾン ウェブ サービス)が提供する、仕事のためのAIアシスタントです。チャットで質問に答えるだけでなく、調べもの、報告書や資料づくり、決まった作業の自動化までをまとめて手伝ってくれます。
メールやカレンダー、パソコンの中のファイル、SlackやSalesforceなどの仕事のツールとつなぐことで、自分の仕事のデータをもとに答えたり、作業を進めたりできるのが特徴です。AWSは、Quickに預けたデータを、ほかの会社のAIモデルの学習には使わないと説明しています。
>>AWS公式「Amazon Quick」製品ページ(英語)
Amazon Quickの今回の更新ポイント3つ
ということで、この先では今回紹介された3つの更新を1つずつ見ていきます。
①Outlook・Word・PowerPoint・Excelの中で使える
Microsoft 365(マイクロソフトのOfficeのサービス)向けの拡張機能を入れると、Officeの画面の横にQuickを開いて作業を頼めます。AWSの発表によると、2026年8月17日に正式版(一般提供)になりました。それぞれのアプリでできることは次のとおりです。
| アプリ | Quickに頼めること(AWSの発表より) |
|---|---|
| Outlook | メールの優先順位づけ、受信箱の整理、会議の日程調整、返信の下書き |
| Word | 書式の整った文書づくり、変更履歴を残した大きな修正、コメントでの見直し役 |
| Excel | 複雑な表の分析、ピボットテーブルやグラフの作成、データの取り込みと整理 |
| PowerPoint | 会社で決めたテンプレートを使ったスライドの作成と手直し |
>>AWS公式「Amazon QuickのMicrosoft 365拡張機能が一般提供に」(2026年8月17日・英語)
②ノートパソコンを閉じても作業が続く
Amazonによると、Quickに頼んだ作業はノートパソコンを閉じている間も、裏側で進み続けます。たとえば、時間のかかる調べものや資料づくりを頼んでおき、移動中や会議中に終わらせておく、といった使い方が考えられます。
ただし、パソコンの中だけで動かす一部の連携(自分のパソコンで動かす「ローカルの連携」)は、そのパソコンの電源が入ってネットにつながっているときだけ使える、とAWSの説明書に書かれています。
③デスクトップアプリが正式版に、スマホには「アクティビティフィード」
Mac・Windows用のデスクトップアプリは、2026年9月に正式版になりました。パソコンの中のファイルを扱えるほか、会議のメモやその後の連絡の準備、会話の内容から文書・スライド・表をつくることもできます。
iPhone・Android用のアプリには、新しく「アクティビティフィード」が加わりました。メール、チャット、顧客管理、カレンダーなどから届く知らせを1つの画面にまとめ、自分が対応すべきものを優先順に並べてくれる機能です。デスクトップとスマホでチャットや作業が引き継がれるので、パソコンで頼んだ作業の続きをスマホで確かめることもできます。
>>AWS公式「Amazon Quickのアクティビティフィードが iOS・Android で利用可能に」(2026年9月9日・英語)
Amazon Quickは個人でも使える?料金・日本語・ほかのAIとの連携
個人でも無料で使える?
使えます。AWSの料金ページによると、個人向けの「Free」プランは月0ドルで、メールアドレスなどで登録でき、AWSのアカウントは必要ありません。Freeプランでも、デスクトップアプリ、チャット、調べもの、資料づくり、自動化(Flows)、アプリづくり、ほかのツールとの連携が使えます。利用者は1人まで、保存できるデータの量は1GBまでです。ただし、OutlookやExcelなどの中で使えるMicrosoft 365の拡張機能は、Freeプランには含まれていません。
料金プランは?
料金プランは、個人・チーム向けと、AWSのアカウントで契約する会社向けに分かれています。
| プラン | 料金(1人あたり・月) | 主な内容 |
|---|---|---|
| Free | 0ドル | 1人まで。デスクトップアプリ・チャット・調べもの・自動化など |
| Plus | 20ドル(年払い)/25ドル(月払い) | 最大300人。共有スペース、ブラウザとMicrosoft 365の拡張機能 |
| Max | 100ドル(年払い)/125ドル(月払い) | Plusの内容に加えて、使える量と保存容量が5倍 |
| Essentials(会社向け) | 3ドル+1アカウントにつき月250ドル | シングルサインオンや管理機能など。AWSアカウントが必要 |
| Professional(会社向け) | 20ドル+1アカウントにつき月250ドル | Essentialsの内容に加えて、AIが作業できる時間が多い |
| Enterprise(会社向け) | 40ドル+1アカウントにつき月250ドル | ダッシュボードの作成、複数の手順の自動化など |
※2026年11月1日時点・AWS公式の料金ページより編集部が整理。料金はドル表記で、日本円での料金や税の扱いは料金ページに記載なし
会社向けのプランには、新しく使う会社向けに、Enterpriseプランを30日間(最大25人)無料で試せる仕組みもあります。
>>AWS公式「Amazon Quick」料金ページ(英語)
日本で使える?日本語は?
会社向けには、2026年3月25日からAWSの東京リージョン(日本にあるAWSのデータセンター)でも使えるようになりました。チャットや調べもの、自動化などで扱うデータを東京リージョンの中で保存・処理できるため、金融や医療など、データを国内に置きたい業界も使いやすくなったとしています。
また、AWSの説明書によると、Quickの画面の表示言語に日本語を選べます。ただし、AIがどこまで自然な日本語で答えるかについては、公式の説明には書かれていません。気になる人は、まず無料のFreeプランで試してみましょう。
>>AWS公式「Amazon Quick が AWS 東京リージョンで利用可能に」(2026年3月25日)
ChatGPT・Claude・Copilotとつながる?
公式の説明で確認できたのは、次のような連携です。
- デスクトップアプリから、AnthropicのAIでプログラムを書く道具「Claude Code」や、AWSの「Kiro」に開発の作業を任せられる
- MCP(AIとほかのツールをつなぐための共通のルール)に対応したツールを、Quickにつないで使える
- Outlook・Gmail・Slack・Teams・Googleのサービス・Zoomなどの仕事のツールとつながる
一方、ChatGPTやMicrosoftのCopilotと直接つながるかどうかは、確認した公式の説明には書かれていませんでした。
>>AWS公式「Amazon Quick ユーザーガイド:コネクタ」(英語)
同じ発表で紹介されたAmazonのほかのAIの話題
買い物のAI「Alexa for Shopping」は4億人以上が利用
Amazonの買い物を手伝うAIアシスタント「Alexa for Shopping」は、この12か月で4億人以上に使われ、利用者とのやりとりは前の年より570%増えたとのことです。100以上の新しい機能が加わり、ギフトのリストづくりや定期おトク便の変更、お届け先の追加などを、会話で済ませられるようになったとしています。
出品者向けのAI「Seller Assistant」がClaudeとつながる
Amazonで商品を売る出品者向けのAI「Seller Assistant」を、Amazon QuickやAnthropicのClaudeの中で使えるようにするプラグイン(追加機能)も発表されました。出品している商品の情報、在庫、売り上げなどのデータをAIにつなぎ、AIが提案した作業は出品者が承認してから実行される仕組みです。現時点ではアメリカのストアの出品者向けのベータ版(試用版)で、ほかの国にも広げる予定としています。
あわせて、出品者のアカウントの持ち主は、2026年12月31日までに申し込むと、Quickの有料プラン「Plus」を12か月無料で使えるとしています。
>>Amazon公式「Seller AssistantがAmazon QuickとClaudeで使えるプラグイン」(英語)
Alexa+は日本でもスタート
同じまとめでは、新しいAlexa「Alexa+(アレクサプラス)」が、オーストラリア、インド、日本に広がったことも紹介されています。
▶ 関連記事:Alexa+(アレクサプラス)が日本で開始!プライム会員は無料、できることと始め方・注意点
Amazon Quickを試す前に知っておきたい注意点
Officeの拡張機能はFreeプランの一覧にない
料金ページでは、Microsoft 365の拡張機能はPlusプランから含まれる機能として書かれていて、Freeプランの一覧には入っていません。OutlookやExcelの中で使いたい人は、申し込む前にプランの内容を確かめておきましょう。
会社のデータをつなぐときは、会社のルールを確認する
Quickはメールやファイル、仕事のツールとつなぐほど便利になりますが、そのぶん大事な情報を預けることになります。会社のメールや資料をつなぐ前に、会社でAIの利用が認められているか、どのツールを使ってよいかを確認しておきましょう。
AIに任せる作業は「毎回確認」の設定から始める
AWSの説明書によると、ほかのツールに書き込む作業(メールの送信や記録の更新など)は、初めの設定では実行のたびに確認を求められます。AIに慣れないうちは、この確認をオフにせず、AIが何をしようとしているかを見てから実行するのが安心です。
【まとめ】Amazon QuickはOfficeやスマホでも使える仕事用AIに、まずは無料プランから
Amazon Quickは、AWSが提供する仕事用のAIアシスタントで、OutlookやWord、PowerPoint、Excelの中で使える拡張機能、ノートパソコンを閉じても続く作業、正式版になったデスクトップアプリ、スマホのアクティビティフィードと、使える場面が広がっています。個人でもAWSのアカウントなしで無料のFreeプランから始められ、画面は日本語にも対応しているので、気になる人はまず小さな作業から試してみましょう。
AIの技術・サービス・ルールは変化が速く、本記事の予測や見通しは将来を保証するものではありません。各サービスの仕様・料金は公式サイトで最新の情報をご確認ください。本記事の情報は2026年11月1日時点のものです。
