Cloudflareはなぜ無料?無料でも成り立つ仕組みとできること、AIで作ったアプリの公開にも

Cloudflareはなぜ無料?無料でも成り立つ仕組みとできること、AIで作ったアプリの公開にも

「Cloudflareはなんでこんなに無料で使わせてくれるの?」という疑問が、最近Xで話題になっています。サイトの高速化やセキュリティ、アプリの公開まで、かなりの部分を無料で使えるため、「何か裏があるのでは」と気になる人も多いようです。

実はこの答えは、Cloudflare自身が公式ブログではっきり説明しています。当記事では、Cloudflareの無料プランでできること、無料で使わせてくれる5つの理由、無料で使うときの注意点、AIで作ったアプリの公開先としての使い方を、AI初心者向けにわかりやすく解説します。

目次

Cloudflareとは?無料で使えるサービスの全体像

そもそも何をしている会社?(サイトを速く・安全にする仕組み)

Cloudflare(クラウドフレア)は、Webサイトやアプリと、それを見に来る人の間に入って、表示を速くしたり、攻撃から守ったりする仕組みを提供しているアメリカの会社です。

たとえば、サイトのデータを世界中のサーバーに置いて近い場所から届ける「CDN(コンテンツ配信ネットワーク)」、大量のアクセスでサイトを落とそうとする「DDoS攻撃」からの防御、通信を暗号化する「SSL(https)」などを提供しています。公式サイトでは、無料プランでも「SSL、CDN、DDoS攻撃からの防御など」が使えると案内しています。

Cloudflareの公式ブログ(2024年9月)によると、同社のネットワークは330を超える都市にあり、Webの約20%がCloudflareを通っているとされています。普段見ているサイトの多くが、知らないうちにCloudflareを通って届いているわけです。

>>Cloudflareの無料プラン(Cloudflare公式)

無料で使える主なサービス(Pages・Workers・R2・D1など)

Cloudflareには、サイトを守る機能のほかに、アプリを動かすための「開発者向けの機能」もあります。そのうち、個人でアプリやサイトを作るときによく使われるものと、無料の枠をまとめました。

サービス何に使うか無料の枠
Pagesサイト(HTMLや画像などのファイル)の公開静的なファイルへのリクエストは無料・無制限/ビルドは月500回/1サイト2万ファイルまで
Workersプログラムを動かす(サーバーの代わり)1日10万リクエスト/1回あたりCPU時間10ミリ秒
R2ファイルの保存(画像・データなど)保存10GB(月あたり)/書き込みなどの操作100万回・読み出しの操作1,000万回(月)/外への転送料は無料
D1データベース(データを表の形で保存)保存5GB(合計)/1日500万行の読み出し・10万行の書き込み
Workers KV設定などの小さなデータの保存1日10万回の読み出し・1,000回の書き込み/保存1GB
Workers AIAIのモデルを呼び出す1日1万ニューロン(AIの利用量の単位)

※2026年10月30日時点・Cloudflare公式の料金ページ・開発者ドキュメント(Workers・Pages・R2・D1・Workers AI)より。1日の枠は世界標準時の0時(日本時間の午前9時)にリセット

とくに目立つのが、R2の「外への転送料(データを取り出すときの料金)が無料」という点です。クラウドのファイル保存では、保存よりも取り出すときの料金がかさむことが多いため、ここが無料なのは大きな特徴といえます。

>>Workersの料金(Cloudflare公式ドキュメント)

>>Pagesの制限(Cloudflare公式ドキュメント)

>>R2の料金(Cloudflare公式ドキュメント)

>>D1の料金(Cloudflare公式ドキュメント)

Cloudflareはなぜ無料で使わせてくれる?公式が説明する5つの理由

Cloudflareは2024年9月27日、公式ブログ「無料プランへの約束をあらためて表明します」(編集部訳)を公開し、無料プランを続ける理由を説明しました。無料プランは、会社ができた2010年9月27日から提供しているものです。ブログの説明を整理すると、理由は大きく5つです。

>>無料プランへの約束をあらためて表明します(編集部訳)(Cloudflare公式ブログ・2024年9月27日)

1. 無料ユーザーが多いほど、回線の費用が下がる(ISPとの相互接続)

公式ブログによると、Cloudflareの原価の約8割は、回線・機材・データセンターの置き場所の費用です。この費用を下げているのが、ISP(インターネットの回線を提供する会社)との「相互接続」です。

ISPの利用者は、Cloudflareを通っているサイトをたくさん見ています。そのため、ISPにとってもCloudflareと直接つながると、ほかの回線業者にお金を払って経由するよりも安く・速くなります。その結果、何千ものISPがCloudflareと無料で接続し、何百ものISPがデータセンターの場所を無料で提供していると説明されています。

ISPがつながりたいと思うのは、Webの多くがCloudflareを通っているからです。そして、その割合を押し上げているのが無料ユーザーだ、というのが公式の説明です。つまり、無料ユーザーの多さそのものが、回線の費用を下げる力になっています。

2. 有料の顧客の回線の、空いている時間を使っている

大企業などの有料の顧客の通信は、1日の中で混む時間と空く時間がほぼ決まっています。Cloudflareは、有料の顧客の通信を優先し、いつでも利用者の近くから届けられるように回線を用意しています。

一方、無料ユーザーの通信は、ネットワークの空いているところで処理する仕組みです。公式ブログでは、そのため無料プランの速さは企業向けほどではないものの、十分に安定して速いと説明しています。もともと用意している回線の「すき間」を使っているので、無料ユーザーが増えても費用がそのまま増えるわけではない、ということです。

3. たくさんの攻撃を見られて、守りが強くなる

無料ユーザーが多いということは、それだけさまざまなサイトへの通信や攻撃がCloudflareを通るということです。

公式ブログでは、無料プランのおかげでほかでは得られない攻撃の情報が集まり、セキュリティや安定性の問題に早く気づいて、製品を全員のために改善できると説明しています。この「見えている範囲の広さ」は、Cloudflareにとって他社に負けない強みになっているとしています。

4. 新機能を無料ユーザーが先に試してくれる

公式ブログによると、無料ユーザーは新しい製品や機能をいち早く試すことが多く、その反応がすぐに大量に集まります。Cloudflareはその声をもとに、不具合を直したり、改良を重ねたりしています。

また、技術が好きな人から、サイトを守りたいだけの人・アプリを作りたい人まで、いろいろな人が使っているため、「誰でも使いやすい道具にする」きっかけにもなっているとしています。

5. 趣味で使った人が、仕事で有料の顧客になる

最後の理由は、趣味で無料プランを使った人が、のちに職場にCloudflareを持ち込んでくれることです。公式ブログでは、Cloudflareの熱心な支持者の中には、個人のプロジェクトで無料プランを使い始め、仕事でも採用した人がいると紹介しています。中には、そのままCloudflareで働くようになった人もいるそうです。

まとめると、Cloudflareの無料プランは「お試し期間」ではなく、回線の費用・攻撃の情報・製品の改良・将来の顧客という形で、会社のビジネスを支える一部になっているといえます。

無料だと何が制限される?注意点

大きなファイル(動画など)の配信は規約で制限

前述の通り、無料ユーザーの通信は回線の空いているところで処理されます。この仕組みを保つため、無料ユーザーの通信量は全体の中で一定の割合に収まっている必要があります。

そこで公式ブログでは、動画などの大きなファイルは無料プランでは扱わないと説明しています。規約では、無料・Pro・Businessのプラン(企業向けのEnterprise以外)で動画などの大きなファイルを配信するときは、開発者向けの基盤(Developer Platform)やImages(画像の配信)、Stream(動画の配信)などの有料サービスを使う必要があると定めています。これらを使わずに動画を配信したり、画像・音声などを全体に比べて不釣り合いな割合で配信したりしていると判断されると、CDNの利用を制限・停止されることがあります。

>>サービス別の利用規約(Cloudflare公式)

無料の枠を超えたらどうなる?

Workers・D1・Workers KV・Workers AIの無料プランでは、無料の枠を超えても自動で料金を請求されるわけではありません。公式ドキュメントによると、枠を超えると、その日はエラーになって動かなくなります。

  • Workers:1日10万リクエストを超えると、エラー(エラー番号1027)になる。設定によっては、プログラムを通さずに元のサイトをそのまま表示する
  • D1:1日の読み出し・書き込みの枠を超えると、データベースが使えなくなる。保存容量が上限になると、データを消すまで追加できない
  • Workers AI:1日1万ニューロンを超えると、エラーになる

いずれも、世界標準時の0時(日本時間の午前9時)に枠がリセットされます。それ以上使いたい場合は、有料プラン(Workers Paid)に切り替える必要があります。お金がかからない代わりに、アクセスが集中するとその日はアプリが止まる可能性がある、という点は覚えておきましょう。

一方、R2は使い始めるときに申し込み(支払い方法の登録)が必要で、無料の枠を超えた分は月ごとに請求されます。R2を使うときは、使った量を管理画面でときどき確かめましょう。

>>Workersの制限(Cloudflare公式ドキュメント)

「無料だから危ない」わけではない

「無料のサービスは、いつか急に有料になったり、終わったりするのでは」と心配になるかもしれません。

この点について、Cloudflareは公式ブログで「無料プランはこれからも続ける」「公開するサイトやアプリ向けに、これまでも、これからも、充実した無料版を提供する」(編集部訳)と明言しています。ここまで見てきたとおり、無料プランには会社にとってはっきりした理由があり、「無料だから怪しい」というものではありません。

ただし、無料の枠の数字や規約は変わることがあります。大事なサイトやアプリに使うときは、料金ページや規約をときどき確認しておきましょう。

AIで作ったアプリをCloudflareで無料公開するには

Claude CodeやCodexで作ったアプリの公開先として使える

Claude CodeやCodex(文章で頼むとプログラムを書いてくれるAI)で、簡単なWebアプリを作る人が増えています。作ったアプリを自分のパソコンの外で動かし、ほかの人にも使ってもらうには、「公開先(置き場所)」が必要です。

Cloudflareは、その公開先の候補の1つになります。新しく作るなら公式が勧めるWorkersが基本で(画面だけのサイトも公開できます)、これまでのPagesも引き続き使えます。データの保存にD1やR2を組み合わせれば、小さなアプリなら無料の枠の中で動かせる場合があります。もちろん、アプリの作りによって向き・不向きはあるので、まずは小さなもので試してみるのがおすすめです。

Workers AIの無料の枠

Workers AIは、Cloudflareの上でAIのモデル(文章を作るAI・画像を作るAIなど)を呼び出せる機能です。公式の料金ページによると、無料プランでも1日1万ニューロンまでは無料で使えます。ニューロンはCloudflare独自の利用量の単位で、使うモデルや内容によって消費量が変わります。

AIを使ったアプリを試しに作ってみたいときに、まずは無料の枠で動かしてみる、という使い方ができます。

>>Workers AIの料金(Cloudflare公式ドキュメント)

公開までの大まかな流れ

細かい手順はアプリによって違いますが、大まかな流れは次のとおりです。

  1. Cloudflareのアカウントを作る(無料プラン)
  2. AIに作ってもらったアプリのファイルを用意する。分からないところは、Claude CodeやCodexに「Cloudflareで公開したい」と伝えて相談する
  3. 公式が新しいアプリに勧めているWorkersを選び、公式の「はじめかた」のページに沿って公開する
  4. 公開されたURLを開いて、ちゃんと動くかを確かめる

AIに作業を頼むときは、パスワードやAPIキー(サービスを使うための鍵)を、アプリのファイルの中にそのまま書き込まないよう注意しましょう。また、何を作るかを先に「設計図」にまとめておくと、AIに頼むときに迷いにくくなります。

>>Workersのはじめかた(Cloudflare公式ドキュメント)

>>Pagesのはじめかた(Cloudflare公式ドキュメント)

▶ 関連記事:AIアプリ開発の設計図「ブループリント」の作り方!Claude Code・Codexへの頼み方

【まとめ】Cloudflareの無料プランには、はっきりした理由がある

Cloudflareが無料で使わせてくれるのは、無料ユーザーの多さが回線の費用を下げ、攻撃の情報や製品の改良、将来の有料の顧客につながるからです。動画の配信や1日の枠などの制限はありますが、AIで作ったアプリを試しに公開する場所としても使えるので、公式の料金ページを確認しながら上手に活用してみましょう。

記事の情報について

AIの技術・サービス・ルールは変化が速く、本記事の予測や見通しは将来を保証するものではありません。各サービスの仕様・料金は公式サイトで最新の情報をご確認ください。本記事の情報は2026年10月30日時点のものです。

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この記事を書いた人

AIの最新ニュースを、AI初心者にもわかりやすく届けるメディア「AIオタク」の編集部です。ChatGPT・Claude・Gemini・Grokなど、各社の新しいモデルや機能の発表を毎日チェックしています。記事は、各社の公式ブログ・ヘルプページ・リリースノートなどの一次情報で事実を確かめてから書いています。運営者自身も、ひとり法人の仕事で記事作成やマーケティングにAIを毎日使っている、AIの「オタク」です。「結局、自分には何が変わるの?」がわかる記事を目指しています。

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