2026年10月26日(日本時間)、Google Cloudは公式Xで、Geminiのモデル選択欄にある「Auto」を紹介しました。Autoを選ぶと、GeminiとAnthropic社のClaudeの中から、仕事ごとに合ったAIモデルをGeminiが選んで動かすというものです。
対象は、会社で契約して使う企業向けのGemini(Gemini Enterprise)です。当記事では、Autoのしくみと、個人の無料Geminiアプリでも使えるのかを、AI初心者向けにわかりやすく解説します。
Google Cloudが企業向けGeminiの「Auto」を紹介!GeminiとClaudeを自動で使い分け
Google Cloud公式の発表はこちら
Google Cloudの公式Xの投稿は、次の通りです。
「モデル選択欄で『Auto』を選ぶと、Geminiは仕事ごとに最も合ったモデルで処理します。GeminiとClaudeのモデルをまたいで使い分け、今後はほかの有力なモデルやオープンなモデルにも広げることで、品質を高めながらコストを下げます」(編集部訳)
この考え方は、2026年10月のイベント「Gemini at Work 2026」で、仕事用のAIエージェント「Gemini agent」とあわせて発表されたものです。公式ブログでは、「Geminiはエージェントであり、その下で動くモデルは別に選べる」と説明されています(編集部訳)。
>>Google Cloud公式ブログ(2026年10月9日付・英語)
▶ 関連記事:Googleが「Gemini agent」を発表!無料で使える?Geminiエージェントを初心者向けに解説
そもそも「AIモデル」と「Auto」とは?
AIモデルとは、AIの頭脳にあたる部分です。同じGeminiの中にも、考える力が高いモデルや速くて安いモデルなど、いくつもの頭脳があります。「Auto」は、どの頭脳を使うかをAIに任せる設定です。
| 自分で選ぶ | Autoに任せる | |
|---|---|---|
| 選ぶ人 | 使う人が選ぶ | Geminiが仕事ごとに選ぶ |
| コスト | 高いモデルを選び続けると高くなりやすい | 簡単な作業は軽いモデルで済ませる |
Geminiの「Auto」モデル選択のポイント4つ
1. 難しい仕事は強いモデル、簡単な仕事は軽いモデル
2026年10月19日付の公式ブログによると、企業向けのGeminiでは利用者向けに最初からAutoが使われ、ふだんは「Gemini Flash」のような速いモデルで動き、作業が複雑なときだけ考える力の高い最上位のモデルに切り替えるとされています。
>>Google Cloud公式ブログ(2026年10月19日付・英語)
Gemini at Work 2026の公式ブログでは、仕事に合わせてモデルを選ぶと、難しい作業の正確さが上がり、簡単な作業のコストが下がると説明されています(編集部訳)。
2. GeminiだけでなくClaudeも使い分ける
使い分けの対象は、Google自身のGeminiシリーズと、Anthropic社のClaudeシリーズです。
企業向けGeminiの更新情報(リリースノート)によると、2026年10月15日から、管理者が設定すれば「Claude Opus 5.5」と「Claude Sonnet 5.5」をモデル選択欄から選べるようになりました。Claudeは最初はオフになっていて、管理者が請求の設定と利用規約への同意をすると使えるようになります。
>>Gemini Enterprise リリースノート(英語)
3. 自分でモデルを選ぶこともできる
Autoに任せるだけでなく、使う人がモデル選択欄からモデルを選ぶこともできます。ただし、モデル選択欄を使えるようにするか、どのモデルを出すかは会社の管理者が決めます。管理者が有効にすれば、2026年10月13日に企業向けGeminiで使えるようになった「Gemini 4 Argon」などのGeminiのモデルと、Claudeを並べられます。
>>Gemini Enterprise ヘルプ(Webアプリの機能の管理・英語)
▶ 関連記事:Googleが「Gemini 4 Argon」を公開!無料で使える?何が変わったかを初心者向けに解説
4. 使いすぎを防ぐ「利用額の上限」
高いモデルばかりが動くと費用がかさむため、プロジェクト(部署や用途ごとのまとまり)ごとに、AIの利用額に上限を決められます。
公式ブログによると、上限に達するとそのプロジェクトのエージェントが一時停止し、管理画面からワンクリックで再開できるとされています。10月19日付の公式ブログでは、上限に達すると新しい依頼は止まり、進行中の作業は最後まで終わらせる、とも説明されています。
GeminiでClaudeは無料で使える?料金や提供状況は?
個人の無料Geminiアプリでも、Claudeを選べますか?
今回紹介されたのは企業向けのGeminiの機能で、個人の無料Geminiアプリの話ではありません。Claudeを選べるのは、会社が契約しているGemini Enterpriseで、管理者がClaudeを有効にした場合です。
個人向けのGeminiアプリのヘルプには、モデルとしてGemini Flash-Lite・Flash・Pro・Argonの4つが載っていて、Claudeについての記載はありません。有料のGoogle AIプランに入っていない人は「自動モード」か「Flash-Lite」を使い、自動モードでは質問に合わせてFlash-Lite・Flash・Proを使い分けるとされています。
つまり、個人向けアプリにも自動でモデルを選ぶしくみはありますが、ヘルプに載っているのはGeminiのモデルだけです。2026年10月28日時点で、個人向けのGeminiアプリでClaudeが使えるという公式の案内は見つかりませんでした。
>>Gemini アプリ ヘルプ(Geminiのモデルについて)
いつから使えますか?
リリースノートでは、モデル選択欄でClaudeを選べるようになったのは2026年10月15日です。
一方で、Gemini Enterpriseの公式ページには、「ほかの会社のモデルを選べる機能」は早期アクセス(一部の企業だけが先に試せる段階)で、近くすべての顧客に提供する、と書かれています。10月16日付の公式ブログでも、Gemini agentの新しい機能はまだ一般には提供されていないとされています。Autoを含めて、どの機能がいま使えるかは、契約や管理者の設定によって変わると考えておきましょう。
>>Google Cloud公式「Gemini Enterprise」(英語)
>>Google Cloud公式ブログ(2026年10月16日付・英語)
料金はいくらですか?
2026年10月28日時点で、Autoのモデル選択そのものの料金は案内されていません。企業向けGeminiでClaudeを使った分は、使った量に応じて払う従量課金です。公式ヘルプに、100万トークン(AIが文章を処理する単位)あたりの料金表が載っています。
>>Gemini Enterprise ヘルプ(利用枠と従量課金・英語)
日本でも使えますか?日本語は?
2026年10月28日時点で、日本向けの提供時期や日本語への対応を明記した公式の発表は見つかりませんでした。なお、Claudeが使えるのはglobal・us・euの場所(データを置く地域の設定)で作ったアプリで、特定の国の中にデータを置く設定では使えないとされています。
Geminiの「Auto」で、私たち(個人ユーザー)は何が変わる?
今回のAutoとClaudeの選択は企業向けのGeminiの機能です。個人のユーザーが今すぐ何かをする必要はありません。勤め先がGemini Enterpriseを使っている場合は、モデル選択欄に「Auto」やClaudeが表示されることがあります。
注意しておきたい点は次の2つです。
- どのモデルが表示されるかは会社の管理者が決めます。表示されない場合は、管理者に確認しましょう
- Autoに任せると、どのモデルで答えたかを意識しなくなりがちです。大事な仕事では、結果の中身を自分で確かめましょう
【まとめ】企業向けGeminiは「Auto」でClaudeも含めて自動で使い分け
Google Cloudは、企業向けのGeminiで「Auto」を選ぶと、GeminiとClaudeの中から仕事ごとに合ったモデルを自動で使い分けると紹介しました。Claudeを選べるのは管理者が有効にした会社だけで、個人の無料Geminiアプリの話ではありません。一部の機能は早期アクセスの段階なので、今後の案内をチェックしておきましょう。
AIの技術・サービス・ルールは変化が速く、本記事の予測や見通しは将来を保証するものではありません。各サービスの仕様・料金は公式サイトで最新の情報をご確認ください。本記事の情報は2026年10月28日時点のものです。
