Appleは、iOS 27とiPadOS 27から使える新しい詐欺対策の機能「なりすましリスク検出」の案内を、日本語のサポートページで公開しています(2026年9月18日公開)。銀行などのアプリで送金やパスワード変更をするとき、だまされて操作していないかの目安をアプリに伝える仕組みです。
当記事では、この機能でできること、データの扱い、オンにする手順、よくある疑問を、Appleの公式ページをもとに整理します。
iOS 27の新機能「なりすましリスク検出」とは?
Apple公式の案内はこちら
Appleのサポートページ「「なりすましリスク検出」について」では、機能の目的が次のように説明されています。
「なりすましリスク検出」は、不審なアクティビティをリアルタイムで検出することで、ユーザーを詐欺から守るのに役立ちます。
出典:Apple サポート「「なりすましリスク検出」について」(2026年9月)
同じページによると、iOS 27およびiPadOS 27以降で利用でき、使えるのはこの機能に対応したアプリだけです。英語名は「Impersonation Risk Detection」です。
>>「なりすましリスク検出」について(Apple サポート)
どんな詐欺を想定している?
Appleが想定しているのは「ソーシャルエンジニアリング詐欺」です。これは、パソコンやスマホの弱点ではなく、人の心理のすきをつく詐欺のことです。
サポートページでは、攻撃者が銀行・政府機関・信頼する人物になりすまし、支払いやアカウント情報の変更をするよう迫ったり誘導したりする手口が例に挙がっています。
この手口がやっかいなのは、操作しているのは本人なので、2ファクタ認証(パスワードに加えてコードなどで本人確認する仕組み)でも見抜けないことがある点です。Appleもサポートページで、従来のセキュリティ対策では必ずしも検出できないと説明しています。
▶ 関連記事:INTERPOLがディープフェイク詐欺に注意喚起!声にだまされない5つのサインと合言葉
なりすましリスク検出の仕組みは?データはどう扱われる?
1. アプリが「リスク評価」をリクエストする
Appleのサポートページによると、対応アプリを使っているときに、詐欺の状況で特に危ない操作をしようとすると、アプリからリスク評価がリクエストされることがあります。危ない操作の例として、支払いや、パスワードなど重要なセキュリティ情報の変更が挙げられています。
2. 返ってくるリスクレベルは3段階
| リスクレベル | Appleの説明(要約) |
|---|---|
| Unknown(不明) | 不審なアクティビティの証拠は見つからなかった。ただし安全が確認されたという意味ではない |
| Medium(中) | 不審なアクティビティの兆候がいくつか見つかった |
| High(高) | 不審なアクティビティの重大な兆候が見つかった |
リスクレベルを受け取ったあと、どう対応するかを決めるのはアプリ側です。たとえば本人確認を求める、待機時間を入れる、警告を表示する、といった対応が例に挙がっています。Appleは、アプリが実行するアクションを判断したり制御したりしないとしています。
3. アプリに渡るのはリスクレベルだけ
サポートページによると、リスクレベルは操作パターン・タイミング・状況・基本的なセンサーのデータを分析して作られます。この分析はデバイスの上で行われ、写真・メッセージ・メールの中身がAppleに分析されることはないと説明されています。
Appleもなりすましリスク検出シグナルの要求元アプリも、シグナルを生成するために使用されるデバイス上の情報を受け取りません。
出典:Apple「なりすましリスク検出とプライバシー」(2026年9月)
同じページによると、デバイスでは画面を共有中かどうかや、最近のメール・着信のおおよその件数などが評価され、その結果だけがAppleに送られます。Appleはそれを、App Storeでの最近のダウンロードや購入などの情報と組み合わせます。また、Appleは行おうとしていたアプリ内でのアクティビティ(アカウントへのサインインや支払い取引の実行など)に関する情報も知ることになりますが、どのアプリからシグナルが要求されたかや、アプリ内でのアクティビティの内容を知ることはないとしています。
4. 機械学習(AI)は使われている?
開発者向けの説明では、AIの一種である機械学習が使われていると明記されています。Appleの開発者向け動画「Trust Insightsについて」(WWDC26)の紹介文には、この仕組みがプライバシー保護のための機械学習を利用し、高リスクな行動に誘導されているかもしれない状況を検出すると書かれています。
Trust Insightsは、開発者がこの機能をアプリに組み込むための仕組みの名前です。同じ動画では、家族の緊急事態を装う詐欺で、AIが作ったディープフェイク(にせの音声・映像)が使われ始めていることにも触れています。
>>Trust Insightsについて(WWDC26・Apple Developer)
iOS 27でなりすましリスク検出をオンにする方法
設定アプリでの手順(iPhone・iPad共通)
Appleのサポートページで案内されている手順は次のとおりです。
- iPhoneやiPadで設定アプリを開く
- 「プライバシーとセキュリティ」をタップし、下にスクロールして「なりすましリスク検出」をタップ
- 「アプリデベロッパと共有」をオンにする
オンにするときに、Apple AccountでApp Storeへのサインインが必要になる場合があります。Appleは「オンにする」手順として案内しているので、使いたい人は自分の設定を一度確認しておきましょう。
>>なりすましリスク検出を使用する(iPhoneユーザガイド)
設定の変更に最大24時間かかるのはなぜ?
サポートページには、次の注意書きがあります。
誰かにこの機能をオフにするように指示された場合は、詐欺の被害に遭っている可能性があります。ユーザーを守るために、この設定の変更が反映されるまでに最大24時間かかる場合があります。
出典:Apple サポート「「なりすましリスク検出」について」(2026年9月)
つまり、電話口で詐欺師に「その設定を切ってください」と言われてオフにしても、すぐには反映されないようにして、その場での送金などを防ぐための仕組みと考えられます。
アプリごとの管理
「なりすましリスク検出」の設定画面では、リスク評価をリクエストしたアプリと、その理由を確認できます。
- 「Recent Activity」(最近のアクティビティ):リスク評価をリクエストしたアプリが表示される
- 「Reasons for Access」(アクセスの理由):リクエストのきっかけになった操作を確認できる
- アプリをタップして切り替えボタンをオフにすると、そのアプリだけ使わせないようにできる
アプリごとの設定の変更も、反映まで最大24時間かかる場合があります。
なりすましリスク検出のよくある疑問
対応アプリはどれ?
2026年10月27日時点で、Appleの公式ページに対応アプリの一覧は載っていません。機能を使えるのは、アプリの開発者がこの仕組みを組み込んだ場合だけです。
銀行・証券・決済などのアプリが対応したかは、各アプリのお知らせや更新内容で確認しましょう。
対象のiPhone・iOSは?
Appleのサポートページによると、対象はiOS 27とiPadOS 27以降です。AppleのiPhoneユーザガイドでは、iOS 27に対応するモデルとしてiPhone 11以降のシリーズやiPhone SE(第2世代・第3世代)などが挙げられています。
日本で使える?
Appleは日本語のサポートページとiPhoneユーザガイドでこの機能を案内しており、2026年10月27日時点で、提供地域を限るような記載は見当たりません。ただし、実際に役立つのは日本のアプリが対応してからになります。
「オフにして」と言われたら?
Appleは、誰かにこの機能をオフにするよう指示されたら、詐欺の被害に遭っている可能性があるとしています。銀行や警察を名乗る相手でも、電話やメッセージでこの設定を切るよう求められたら、いったん操作をやめましょう。
そのうえで、電話を切って、公式サイトに載っている窓口へ自分からかけ直して確かめるのが安全です。
>>フィッシングメッセージ、偽のサポート電話、その他の詐欺を含むソーシャルエンジニアリングスキームを認識し、対処する(Apple サポート)
「Unknown(不明)」なら安全?
Appleは、Unknown(不明)は不審な証拠が見つからなかったという意味で、安全が確認されたという意味ではないと説明しています。この機能があっても、急がされる送金や知らない相手の指示には、これまでどおり注意が必要です。
※2026年10月27日時点・Apple サポート「「なりすましリスク検出」について」(日本語版 2026年9月18日公開)、iPhoneユーザガイド、Apple「なりすましリスク検出とプライバシー」、WWDC26「Trust Insightsについて」より
【まとめ】iOS 27のなりすましリスク検出は「だまされた操作」に気づくための守り
iOS 27とiPadOS 27の「なりすましリスク検出」は、対応アプリで送金などをするとき、だまされている兆候をリスクレベルとしてアプリに伝える機能です。設定アプリの「プライバシーとセキュリティ」からオンにでき、誰かに「オフにして」と言われたら詐欺を疑いましょう。
AIの技術・サービス・ルールは変化が速く、本記事の予測や見通しは将来を保証するものではありません。各サービスの仕様・料金は公式サイトで最新の情報をご確認ください。本記事の情報は2026年10月27日時点のものです。
